坂の上の雲、第二話、最高でした。
言葉では表しきれないほど、素晴らしかった...!

分かっていたことだが自分は男の涙に弱い。
こらえきれずに流れた涙のなんと美しいことか。

哀しくて流す涙ではなく、ただ抑えきれない何かが涙となって出てくるという現象の美しさ。この時代の男の人は常に気を張っていたという印象が強いもので、その男が涙を流すというのは、女から見ても何やら途方もなく尊いものに見えてしまうわけです。熱く滾っているわけです、その涙は!

同じく司馬先生原作の『竜馬がゆく』でも、私は号泣した覚えがあります。

二巻の「風雲前夜」の章の中で、これから土佐勤王党を結成しようという武市を竜馬が訪ね、時代の荒波に乗りだしてゆこうというときに二人で流した涙。ほんの短い件なのですが、これを読んだ当時の自分にはひどく鮮烈だったのです。

前後が分からないとさほどではないかもしれませんが、該当の箇所をお叱りを覚悟で引用します。

竜馬は、眉に翳をつくり、めずらしく生真面目であった。武市も、こわい顔をつくっていた。やがて、武市の眼から、ぽろぽろと数条の涙がくだった。

「竜馬。武士の生命はいつ果てようとも潔かるべきものだが、おれたちの一生は、きょうから戦場にはいることになる」

「半平太、落ちつけ落ちつけ」
竜馬は大声をだした。
すぐ笑った。やがて、涙が竜馬の目にも宿り、落ちた。

『竜馬がゆく』 二巻・風雲前夜 250-251頁

今週のお話で、海軍へ行くことを決めた淳さんを見送ったのぼさんの涙にも、一話で西洋の船を見た時にのぼさんが流した涙にも、何やら同じものを感じました。そして泣きました。燃えよ剣も、竜馬がゆくも、坂の上の雲も、本当に素晴らしい!
21:50 No.117 雑録 permalink