何となく、ご無沙汰でございます。こんばんわ。
先日より体調が優れなかったのはどうやら月の障りの前触れだったようで、
ただいまその障りの真っ最中で更に体調ドンゾコ/(^o^)\
とりあえず嵐がすぎるまで、大人しくそこらへんに転がっております;
さて、痛みにうんうん言いながらも、読書だけはしておりまして。今日読了したのは、皆川博子著『蝶』でしたが、これは凄い。思わず読み終わった後に「うーん・・・」と唸りをあげてしまいました。短編集なので、正しく言うと一話読み終わるごとに本を閉じて「う”ぅぅん...」という声をあげていた感じです。いやはや、何でもっと早くこの人の書いた本を読まなかったのだろう!
砂糖菓子のように綺麗な石を口に含んで、ころころと転がしているような、ひんやりとして無味で、しかし油断してガリリとやってしまったら口の中が血だらけになりそうだな。そんな感じのする本でした(どんな感じだよ。。)
私は鉄の、もっと言えば血腥い匂いのただよう小説を書く方々を鉄分作家と内心呼んでいるのですが(名前の付け方が安直でお恥ずかしい)、そしてそんな作家は今のところ岩井志麻子と坂東眞砂子の二名なのですが、皆川博子も同じようなジャンルかな〜と読み始めた時に思いきや、全く別の印象を受ける作家さんでありました。同じ血は血でも、皆川博子の匂わせる血は薄いというか、ちょうど薄氷で指先を切った時に、解けた氷の水分で薄められた血を見ているような気持ちになったというか(全く意味が分からないっすよね...すいませんorz)
冷たい血に柔らかい潮騒、そして熟れた花の香りを感じる短編集でした.
いや〜余韻がはんぱねえ!いい本読ませてもらった!
本の中に出てくるハイネの詩を元にした歌曲。
上田敏の訳が美しかった。
「花のをとめ」ハインリッヒ・ハイネ 上田敏訳 『上田敏全訳詩集』妙(たへ)に清らの、あゝ、わが児よ、
つくづくみれば、そぞろ、あはれ、
かしらや撫でゝ、花の身の
いつまでも、かくは清らなれと、
いつまでも、かくは妙にあれと、
いのらまし、花のわがめぐしご。
桟橋の下の海は金属の虹のような油膜におおわれ、磯の香はその下に閉じ込められ
ーいや、油膜の下は、女の髪が腐って溶けたようなどろどろの汚水であろう。
皆川博子 「竜騎兵(ドラゴネール)は近づけり」 『蝶』 文春文庫